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長野まゆみ「カルトローレ」

辻村深月の「凍りのくじら」を読んだらなんとなく長野まゆみを思い出して15年ぶりくらいに長野女史の本を買いました。

あ、「凍りのくじら」自体も割と好みの作品でした。ひさしぶりに推理小説以外のお話を読んだ気が。辻村作品は"主人公が不思議な雰囲気の美少女で不思議な雰囲気の美少年が出てくる"的な流れが出来あがっているようでまぁそうね読む本に困ったら他のも買って読もうかなっていう程度でそんな取り立てて急いで集める気にはなんないかな。
中でも「凍りのくじら」は主人公の厨二っぷりが他作品よりぶっ飛んでいるらしくファンの間でも賛否両論作品みたいですが寧ろあるある派だったので初辻村がコレで逆に良かったのかも。
少年少女の描写に拘りまくってる感じがしますね。あと展開がとてもドラマチックだと思う。

本題。


カルトローレ (新潮文庫)カルトローレ (新潮文庫)
(2010/12)
長野 まゆみ

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ほんとマジ一瞬でも似てるとか思ってスンマセンっした流石長野女史ケタ外れだったいやもうほんと1行目から長野ワールド炸裂倒錯の世界へようこそみたいなああもうどうしようだいすき。

ちょっと本気で語ります。
長くなるので畳みます。



で、ここまで書いて一回保存してすごい勢いで語ってたらラミエル様(ねこ)がキーボードの上に飛び乗られて何もかも消え去りました。ううううう。


<暫くお待ちください>


はい。10年以上ぶりに読む長野まゆみです。
ちなみに長野まゆみってどういう作風かといいますと「宮沢賢治を少しライトにした文学系ノリの少年愛物語」です。実際「賢治先生」という作品を出している程長野女史は自他共に認める宮沢賢治信者です。
いわゆるボーイズラブ的なノリではなくて飽く迄少年愛。少年に対する並々ならぬ偏執的な愛情を注ぎまくった結果というか。決してほもほもしい感じでは無く。って腐寄り趣味のわたしが言っても説得力は皆無ですけれども。

以上を踏まえた上で「カルトローレ」感想文。

何度も書いているけれど長野を読むのは10年以上ぶりでここ何年かはミステリばっかり読み漁っていたので感覚を取り戻すのに少し時間がかかりましたね。何と無く読み難く感じました。
その読み難さが随分長い間長野ジャンルから離れていたからだと最初は思ったのですけれどそれにしても読み難いなと思ったらこの作品「」で会話文を囲む形式が一切出てこないのです。
だからどれが誰の台詞でどこまで地の文でどこから会話でっていうのが前後の文章の雰囲気や展開から読み取るしかないという。キャラクタごとの口調も“明らかな男性”と“明らかな女性”の違いの他は然程変化が目立ちにくいですし。
ただこのテの文体に抵抗が無ければ馴染んでしまえさえすれば其処まで気にはなりません。寧ろ過去には「~ぢゃない」っていう表現を遣っていた箇所が「~じゃない」になっていたり他にも昔はコテコテだった文体(例えば椎名林檎の歌詞みたいな)が幾分か現代調になっているので文章としては読み易くなっているかもしれません。

というかそもそもわたしの書く文章が若干アレなので此処まで読めている人は間違い無く読み切れます。

舞台は沙(すな)の国。砂漠ですね。≪船≫と呼ばれる場所?空間?の出身の主人公・タフィが管理局(なんの?)から≪船≫から持ち出されたらしい航海日誌109冊を解読せよとの指令を受け沙の街に移り住むところから物語は始まります。
この日誌109冊というのが「カルトローレ」と表紙に書かれている文字は判別出来るけれど全ページが糊づけされてまるでパイのような状態で固まっている上に昔のもの過ぎて紙は風化し始め少し手荒に扱おうものなら即崩れてしまうという代物でそれらの糊をどうにかして剥がし内容を解読せよという超絶ムリゲーなのです。
この謎を沙の街の役人であるコリドーとワタと呼ばれる水脈探しの種族(?)の少年を始め愉快な仲間たちと共に追い解明していくというお話。

物語が進むにつれ謎が増えたりヒントっぽいのが出てきたりしますが総ての謎は解かれないまま小説「カルトローレ」は終わります。むしろ謎は謎のままっていうのが最大のネタバレではあると思うのですけれどほんとまぢで読み終わった後「(;゚д゚)ポカーン」となります。え、ちょ、ここまで引っ張ってソレかよみたいな。
しかし長野作品に於いては寧ろ謎が解明されて終わる話の方が咄嗟に思い浮かべられないくらいそういう路線がデフォなのでミステリみたく最後に「犯人はお前だ!」「実はこういう事情だったのです」っていうのが出てすっきり終わらないと気が済まない人は長野作品読まない方がいいですw

長野特有のファンタジィな世界観に入り込めてそれこそ”日記”の一部分を読む感覚でぼんやり夢現に漂える性質の人にはオススメの一品。

そしてなんといっても食べ物の描写が本当に美味しそう。

パン生地の焼ける香ばしい匂いがしてくる。ワタのひとりがアンゲルの卵でメレンゲをこしらえる。黄身はパイ・ディッシュの表面にぬる。べつのワタは花豆の冷製ポタージュを深皿に盛りつけてゆく。そこへスプーンですくったメレンゲを浮かせた。焼き砂糖とレモンの皮をすりおろしたものをふりかける。

***

ニンニクのすりおろしと卵黄とレモンを練りあわせる。粒胡椒をすこし。ワタはひよこ豆をピュレにして、白胡麻とあえる。コリドーはワックスペーパーで風船をこしらえ、なかにシイラの切り身をならべた。香草とレモンとバターをのせて蒸し焼きにする。私は米でつくった薄い皮に半熟玉子とチーズをくるみ、油であげた。ワタはべつの鍋で小さな紅い茄子やソラ豆や子芋などを素あげにする。

***

マスタードもお買いになるといいですよ。すみれ色でも緑色でも、お好きなのを。それをほんのすこしつけて食べるのが、何よりのごちそうです。ちょうど立ちよったコリドーのすすめで、春野菜のたばとカシスマスタードを買った。


この作品は長野女史作品の中でも長編の部類に入るのでこんな調子の食事描写食べ物描写が軽く10以上は出てきてたと思います。レモネードの描写ひとつとっても本当に美味しそう。
ワックスペーパーの風船ってなんだよとかマスタードの色おかしいだろとかコーヒーにバター落とすなんて理解できないんだけどとか突っ込む余地も御座いません。ええ真面目に。だって長野だもん。

そして随分と懐かしくなったので昔だいすきだった「テレヴィジョン・シティ」を買い直して読もうと思ったらコレもう絶版なのですね。悔しいので古本巡りをすることにします。
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  1. 2011年10月12日 01:16 |
  2. 小説雑記
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