かばるとかにちじょうとかおえかきとか

Mr.Fearless

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悲願的/或いは誰かの九月二十一日の日記

母と妹と三人で休日が被ったその日、彼岸だからと母の実家へ向かった其の侭父方の祖父にも線香を挙げようと父と祖母が暮らす家を訪れる事になった。両親の離婚から二年と三カ月振りに訪れる家(但し妹は幾度か個人的に訪問しているらしい)。なんとなく敬遠している家。残念ながら、なのか、幸いにして、なのか、急な訪問に応えられる程安定した時間帯の仕事をしている訳ではない父は案の定不在で二年と三カ月振りに訪れた家には祖母と見知らぬ猫が一匹と見知らぬハムスターが一匹待っていた。二年と三カ月前まで住んでいたとはいえ小学生の頃に一度引越しを挟んでいる為暮らしていたのは僅かに十余年。その内で十年以上を共に過ごした猫は昨年他界したらしく、心寂しさに耐えかねた父が知人から一匹引取ってきたらしい猫は未だ生まれて半年程の子猫だというのに四キログラム以上あるデブ猫だった。相変わらず広い家。二年と三カ月前までは五人と一匹で暮らしていた家に二人と二匹では随分と広いだろうとは思っていたが矢張り二階部分は今は殆ど使用していないらしい。祖母は二年と三カ月前から殆ど変っていないように見える。「久しぶり」と口にする言葉は何処か白々しい。挨拶もそこそこに仏壇へ向かった。二年と三カ月振りに見る遺影の中の祖父の貌は微笑んで見えるのだけれどその微笑みが「何故二年以上も顔を見せにこなかったのだ」と少しいじけている様に見えて申し訳なくなった。何を隠そうと常套句を遣ってみたところで別に隠しても居ないのだけれどわたしは自他共に認めるジジコンである。ファザコンでは無くグランドファザコン。大好きな祖父は身体が弱く幾度も入退院を繰り返し幾度も手術を繰り返したけれどわたしが中学二年生の七月十三日に事故で亡くなった。優しく穏やかでそれでいて厳格だった祖父…というのは些か幻想が混ざっているかもしれない。今はもう居ない人だからこそ記憶の中の祖父はいつまでも奇麗な侭。いつだったかわたしがピアノの練習をしている部屋のドアの隙間からひょいと顔を覘かせて「上手になったな」と一言だけ残していったあの瞬間の記憶は今でも色褪せない。遺影の前で黙祷するほんの数秒の間に脳裏を過る事象はあまりにも多すぎる。十余年を過ごした家に近づきたくない余りに大好きだった祖父とすら疎遠になってしまっていた事を今更ながらに悔い、次はそう遠くない未来にまた顔を見に来る事をこっそりと誓って仏壇の前を離れた。妹と母は既に新しい猫に夢中で、わたしもその輪の中に入り込んで祖母と近況を伝え合った。時間にすればものの十数分。随分と人懐こい猫と戯れていたい気持ちはあれど、矢張りこの家に長く居たくはない。「じゃあ、パパに宜しく」と三人の誰からという訳でなく腰を上げたわたし達は車へ乗り込む前に庭へ足を向けた。昨年亡くなった猫が丁寧に葬られている其処に立ち、矢張り丁寧に手を合わせる。何かの花の香りが微かに舞う中、十余年を過ごした家を後にした。

猫が飼いたい。
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  1. 2010年09月23日 03:45 |
  2. 雑記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

コメント

うんーじいちゃんはなんだか孫からみたらすごいやさしくてかっこいいく見えるもんだね!

猫さまは寂しいときはそっとよりそってくれます

ついでに甘噛みもがぶがぶしていくけどね!
  1. 2010/09/24(金) 11:48:57 |
  2. URL |
  3. たあこ #-
  4. [ 編集 ]

>ますた

そうなのすごいやさしくてかっこいいの。
じいちゃんだいすきだー。

そしてぬこさまは血が出る程のがぶがぶでも甘噛みですねわかります。
  1. 2010/09/26(日) 01:12:51 |
  2. URL |
  3. 蟹@凛さんの #POQ5NLzM
  4. [ 編集 ]

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